
メキシコには2度ばかり行った。ニュースでは治安がわるそうなニュースばかりだけど、そんなことはあまりない。だいたい、よっぽどの場所じゃないんだったら、大概の心配は杞憂だと思う。そこで暮らしている普通の人がどうしているかをみて行動をすればまず間違いはおこらないんじゃないかと思うのだ。
で、写真のこれは何かというと、首からぶらさげられるカードケース。メキシコ中部のグアナファトという街で見つけたもの。たしか、2011年に行ったときに。グアナファトは銀山のそばのちいさな街で、家々が山肌にはりつくように建っているんだけども、その家は色とりどりのペンキで塗られているものだから、とてもかわいい眺めがひろがっている。たしか世界遺産なので、ばっちり観光地だ。
その観光地で売っている雑貨ですら、メキシコ製品のなかには時として度肝を抜くほど繊細な手仕事のものがあるのだ。それなのに、値段があまりにも安いので、じっと見ないと、機械でつくった工業製品的量産おみやげと見間違ってしまうことがある。
これも、その一つで、刺繍風の布地を切って適当につくったんだろうけど、色合いがメキシコっぽくて、グアナファトっぽくていいなとおもって何気なく買ってきたのでした。たぶん、500円もしなかったはず。で、当時はカードキーを首からぶら下げるような生活ではなかったので、そのまま家のなかに放置してあった。
今年になって会社が引越してまたカードキーを首からぶら下げる生活になったので、そういえばと思ってひっぱりだした。そして、旅の思い出にうっとりとしながらよく見てみたら、刺繍風の柄と思っていたところが全部手刺繍だということに気がついた。それでも疑い深いわたしは、まだ機械でした刺繍ではないかという思いを捨てきれてないのだけど、わずかな柄の間違い方があまりにも不規則であるし、糸のしまつがあまりにも華麗なので、これは手で刺繍する以外にできないはずなのである。
なんだか皮肉な話だけど、ものとしてはたいへんに愛着がわいてくる。うれしくくびからぶらさげているのである。
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